第51回ネット句会結果

互選高点句	
十点句 
どちらかがいづれひとりに冷奴   タミ子
九点句  
筒鳥の声のあとから日暮来る    美保子
武蔵野の青葉にひびく寺普請    りり子     
八点句  
残像を結ぶ雄滝の白さかな     浩
雨を呼ぶ鳥声近き夏炉かな     美保子
新じゃがの届く故郷の土付けて   隆夫

藤本美和子主宰選
特選
雨を呼ぶ鳥声近き夏炉かな     美保子     
巧みな句。赤翡翠の異名、雨乞鳥を踏まえてた読んだ句と思う。
入選
きのふより低きを飛んで梅雨鴉   小芥子
道標は右指してゐる女滝かな    モネ
山上に開祖の廟や落し文      sooshi
水行へ清め塩踏む青嵐       タミ子
        
菅家瑞正選
特選
雨を呼ぶ鳥声近き夏炉かな     美保子
登山小屋あたりの嘱目吟か。「雨」と「夏炉」の配合に味がある。
入選
ぎしぎしの花や砂利道歩き来て   のびる
誰彼に等しく滝のしぶきかな    根津子
実生より育ちし沙羅の落花かな   sooshi
振り返る滝音消ゆるところにて   美保子

陽美保子選
特選
買ひ置きし司馬遼太郎梅雨に入る  京子
司馬遼太郎が梅雨に入るような表現の面白さ。雨で読書も捗るか。
入選
川すべて落とす乙字ヶ滝けぶり   憲明
雨あとの風吹く祭り太鼓かな    菊恵
山上に開祖の廟や落し文      sooshi
祀られて不動明王滝の裏      sooshi