第59回ネット句会結果

互選高点句	
十四点句 
花ミモザ礼服に風通しけり    花うさぎ
窯変は火焰の記憶鳥の恋       隆行
十一点句  
みそ樽の味噌の声きく雨水かな    隆夫
十点句  
乗り捨てのレンタサイクル鳥の恋    浩
九点句
人の世に笛や太鼓や木の芽張る   美保子

藤本美和子主宰選
特選
人の世に笛や太鼓や木の芽張る   美保子     
季語の、ことに「張る」がいい。笛や太鼓の音に張りが生まれる。
入選
花ミモザ礼服に風通しけり     花うさぎ
鳥交る竈に神の祀られて      隆行
飛び石の最後のひとつ梅匂ふ    麻美
開いてゐる叺の口や鳥雲に     sooshi        

菅家瑞正選
特選
開いてゐる叺の口や鳥雲に sooshi
苗代に籾を蒔く準備の光景であろう。遠近感のある季語が良好。
入選
花ミモザ礼服に風通しけり     花うさぎ
鳥交る古民家園の丸太椅子     せんかう
みそ樽の味噌の声きく雨水かな   隆夫
金粉のやうな鳥声春兆す とし子

陽美保子選
特選
手を挙げて渡る歩道や鳥の恋    りり子
小学一年生を想像する。鳥の恋の季感の捉え方が面白い。
入選
目薬のやたらしみゐる鳥の恋    他家人
犬しばし嗅ぎて地獄の窯の蓋    タミ子
髭剃に髭のしたがふ四温かな    他家人
みそ樽の味噌の声きく雨水かな   隆夫