第62回ネット句会結果

互選高点句	
十一点句 
末吉と出て鎌倉の薄暑かな     のびる
九点句 
軽暖の風に鳴りたるマストかな   モネ
八点句  
短夜のカーソルをまた見失ふ    志向
綱打ちの白を捌きて薄暑光     直穂子

藤本美和子主宰選
特選
軽暖の風に鳴りたるマストかな   モネ     
潮風、マストの音。「軽暖」の季語が音の強弱をも伝え清々しい。
入選
野良猫に見据ゑられをる薄暑かな  タミ子
刈込みて庭の明るき芒種かな    健
末吉と出て鎌倉の薄暑かな     のびる
街川を草河豚のぼる薄暑かな    せんかう        

菅家瑞正選
特選
稜線のくつきりみえて更衣     隆行
窓辺に佇み遠い山並を眺める作者の姿が見え、この距離感が良い。
入選
玉砂利の音絶へ間なき五月かな   雅子
睡蓮のかしぎておほき鯉の口    タミ子
鶏のいぶかる一歩薄暑光      隆行
手鏡に後れ毛うつす薄暑かな    敬子

陽美保子選
特選
短夜のカーソルをまた見失ふ    志向
時々カーソルがいなくなるのはどういうわけだろう、短夜の謎。
入選
前山とその山の絵と河鹿宿     憲明
寛解や循環バスに薄暑光      とし子
おはぐろにしづまりかへる水面かな 隆行
かたはらに鴉が歩く薄暑かな    小芥子