第64回ネット句会結果

互選高点句	
十二点句 
一粒に一粒の影梅筵         菊恵
十一点句  
空蝉に銀の双眸夕明り        里妹
わたつみの色なる宮古上布かな    のびる
十点句  
スコップの突き刺してある暑さかな  憲明
九点句  
煮る豆に塩をきかせる晩夏かな    タミ子    

藤本美和子主宰選
特選
降りみ降らずみ蛇の髭の花の数    のびる     
無内容と言えば無内容。だがいかにも俳句であり技が冴える。
入選
古書店のはたきの音の暑さかな    麻美
鉛筆を置けば転がる暑さかな     憲明
一粒に一粒の影梅筵         菊恵
わたつみの色なる宮古上布かな    のびる        

菅家瑞正選
特選
煮る豆に塩をきかせる晩夏かな    タミ子
一刀自の厨での所作、姿。「晩夏」の季語が頗る効き、胸に迫る。
入選
このサドルこのハンドルの暑さかな  杣むぎ
石仏の百年の笑み祭笛        憲明
ごきぶりの軍曹級を仕留めけり    sooshi
分度器に三角定規夏休み       葉子

陽美保子選
特選
スコップの突き刺してある暑さかな  憲明
「突き刺してある」で平凡な情景に厳しい暑さが表出された。
入選
暑き日をマスト一本にて支ふ     他家人
交差点暑し眼鏡を拭きにけり     礼子
一粒に一粒の影梅筵         菊恵
わたつみの色なる宮古上布かな    のびる