第67回ネット句会結果発表

互選高点句	
十点句 
堰ひとつ越えたる水の澄みにけり   のびる
七点句 
縄文の炉の跡へ降る木の実かな    タミ子
行く秋や庭に転がる空の鉢      志向
サルバドールダリの似顔絵蚯蚓鳴く  憲明
霜降の枯山水の波もやう       直穂子    

藤本美和子主宰選
特選
霜降の水辺の鳥の羽音かな      隆行     
「霜降」の季節感を具体的な「鳥」「羽音」で把握できている。
入選
霜降の丸くてぬくき磧石       せんかう
霜降や握り鋏の音響く        とし子
霜降の枯山水の波もやう       直穂子
鳥渡りけり帆柱の縄梯子       モネ        

菅家瑞正選
特選
堰ひとつ越えたる水の澄みにけり   のびる
取水堰あたりの景か。流れる水の色の変化を巧妙に表現している。
入選
農小屋の外の木椅子や秋の声     麻美
縄文の炉の跡へ降る木の実かな    タミ子
おしゃべりを止める花野に入りけり  紀久子
行く秋や庭に転がる空の鉢      志向

陽美保子選
特選
霜降や小屋に戻りし山羊二頭     京子
他の家畜ではなく、山羊であるところに季語との響きを感じる。
入選
一木のふところ深き小鳥かな     春子
霜降や弁財天の番鳩         葉子
秋深き薬草の名をひとつづつ     小芥子
霜降やコンパスあてる星座表     sooshi