互選高点句
十五点句
口縄の朱きをもらふ耕馬かな 藤井万里
九点句
ひと畝にまがりぐせある雨水かな 他家人
八点句
竹寺の竹百幹の余寒かな 小芥子
古希迎ふ手翳すさきの春の色 杣むぎ
七点句
新しき文具を並べ雛祭 音思
折り紙の折り目の中の余寒かな 紀久子
窯焚きの火炎見つむる春の雪 直穂子
藤本美和子主宰選
特選
ゴム長とゴム手袋の余寒かな 美保子
季語「余寒」が「ゴム」製品の質感によって蘇り生かされた。
入選
口縄の朱きをもらふ耕馬かな 藤井万里
山墓の標の梅のひらきけり タミ子
竹寺の竹百幹の余寒かな 小芥子
打菓子の鳩のかたちや二月尽 他家人
菅家瑞正選
特選
蔵街のゆふぐれ近きわらび餅 小芥子
川越辺りの景か。一日を散策し茶屋で一休み。旅情豊かな一句。
入選
春浅しミルク多めのミルクティー 京子
しつとりと地をふくらませ春の雪 憲一郎
おほかたは傾ぎすなはち紙雛 美保子
ひと畝にまがりぐせある雨水かな 他家人
陽美保子選
特選
かりそめに草にあづけぬ蕗の薹 藤井万里
上五の措辞が秀逸。中七にも早春の感触がある。
入選
畑土の靄を上げをる余寒かな 瑞正
早春やホットミルクに膜張って 瑞正
明けの星瞬きもせぬ余寒かな 健
灯台に灯の点りたる余寒かな ひろ志
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