互選高点句
十一点句
雪だるま一茶いくども子を亡くし 隆行
雪だるま雪に埋もれてしまひけり 美保子
八点句
神鶏の薄きまなぶた春近し 菊恵
一月も末の合切袋かな 美保子
七点句
かたはらに先生が立つ雪だるま 麻美
かぶり湯の桶の鳴りたる初山河 真理
藤本美和子主宰選
特選
一月も末の合切袋かな 美保子
表現に無駄がなく巧者な仕立て。ことに「一月も末の」が上手い。
入選
始業ベル鳴る三日目の雪だるま 里妹
朝日子に目鼻かたむく雪達磨 義久
かたはらに先生が立つ雪だるま 麻美
けん玉の玉の赤丹や春隣 花うさぎ
菅家瑞正選
特選
蝋梅の香の取り持ちし縁かな 志向
蝋梅を見に来た人と意気投合した作者。中七からそれが窺われる。
入選
ぴしぴしと鳴る警策よ軒つらら しんい
寝入りても額の上なる寒昴 のびる
黒潮ははるかを流れ水仙花 ナユ
春を待つ水かげろふの松の幹 小芥子
陽美保子選
特選
雪だるま一茶いくども子を亡くし 隆行
雪だるまをよく詠んだ一茶。その身の上を思う作者に共感する。
入選
仏足跡に触れてみる寒の入 雅子
釉薬の甕をかき混ぜ春隣 直穂子
針山の一本を抜く冬景色 麻美
夕雲の速き柊挿しにけり 麻美
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