互選高点句
十二点句
梅干して母のにほひの家となる 阿久亜
十一点句
北斎の浪の崩るる大暑かな 荒一葉
十点句
汗ぬぐふ単年雇用契約書 案山子
高跳びの棒のしなりや雲の峰 荒一葉
九点句
泳ぎ終へ水引きずつて来る子かな りり子
藤本美和子主宰選
特選
ジャブ・フック・ストレート夏果てにけり 菊恵
ボクシングのリズミカルな動きが俳句形式と連動する心地よさ。
入選
泳ぎてはあふるる涙かくしをり 紀久子
岩場から岩場へ父の横泳ぎ 美保子
朝蝉に太極拳の足ひらく 小芥子
飛び込みの立ち位置決まるしづけさよ 隆行
菅家瑞正選
特選
泳ぎ終へ水引きずつて来る子かな りり子
眼目は中七の「水引きずって」で、的確な写生に共感を覚える。
入選
手秤で買ふ参道の李かな 花うさぎ
飛び込みの立ち位置決まるしづけさよ 隆行
滴りの音に近づく一歩かな 紀久子
その中のひとりが触れて蛇の衣 小芥子
陽美保子選
特選
洗はれてパレットの白夏終わる 由美子
夏の思い出も一緒に洗い流し、新たな気持ちで白秋に向かう。
入選
梅干して母のにほひの家となる 阿久亜
海開きプラスティックの卓と椅子 稲水
朝蝉に太極拳の足ひらく 小芥子
火蛾飛んで効能書の小さな字 春子
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