第35回インターネット句会結果

互選高点句	
十一点句
蜆汁柱にバスの時刻表        憲明
十点句 
影の先ず動き始むる春野かな     荒一葉
八点句
料峭の白抜き紋の暖簾かな      葉子
七点句
大判の封書一通春一番        春子
人間にくるぶし二つかぎろへる    春子
白鳥の帰心の翼整へり        あんず
盆梅や芳名帳の墨の濃き       モネ
食堂の亭主寡黙や蜆汁        由美子

藤本美和子主宰選
特選
大判の封書一通春一番        春子
「一通」「一番」、「一」の数、リフレインに吉報の予感がする。
入選
木簡を読み解く人やさしも草     とし子
辻辻の蜆煮る香や佃島        音思
川底に日のある蜆採りにけり     他家人
蜆売り一升桝と五合桝        玖	

菅家瑞正選
特選
盆梅や芳名帳の墨の濃き       モネ
披露宴などの受付の光景であろう。「盆梅」の点景に祝意が籠る。
入選
静かなる雨のダム湖よものの芽よ   正恵
魚は氷に上りてキャッチボールかな  憲明
ほつれたる女雛の髪を撫でてやり   由美子
春泥を踏まざるを得ず鳥の影     浩

陽美保子選
特選
料峭の白抜き紋の暖簾かな      葉子
高級な料亭を想像する。料峭という季語の格に合っている。
入選
反物に海の色ある日永かな      真理
薔薇窓を通る光や鳥の恋       雅子
水温む小学校の裏手かな       小芥子
一粒のお多福豆に春立ちぬ      モネ