互選高点句
十三点句
葉桜やガイドブックの折り目跡 京子
十点句
リラ冷えや紙幣に泛ぶホログラム 美保子
九点句
夏近し波が押し出す波の音 隆行
一鍬の土の匂ひや蜂よぎる りり子
足を組み直して春を惜しみけり 瑞正
藤本美和子主宰選
特選
こともなし丸花蜂が花の中 美保子
「丸花蜂」の圧倒的な存在感を放つ上五。平明だが平凡ではない。
入選
とびいしの明るさに蜂きたりけり 他家人
葬りの花を離れぬ蜂のゐて タミ子
缶蹴りの缶の転がる養花天 モネ
ふらここに並びてをりし父子かな 紀久子
菅家瑞正選
特選
五月来る曙杉の天地かな 菊恵
鮮やかな新緑の景が伝わる一句。下五の「天地かな」が実に巧者。
入選
沢口に群れゐる稚魚や夏隣 りり子
春夕焼校舎の壁のボール痕 荒一葉
一鍬の土の匂ひや蜂よぎる りり子
すかんぽや子と手をつなぐ父と母 葉子
陽美保子選
特選
人の子も蜜蜂も野に放たれて 花うさぎ
人の子と蜜蜂の並列の扱いがいい。明るい春の日差しを感じる。
入選
巡拝の人影入れて水田かな 美砂子
熊蜂の翅逆立てて歩むなり 河島八々十
蜜蜂の群るる羽音や日の光 浩
子の上ぐる蛙の腹のまだら柄 千寿子
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