互選高点句
十三点句
春雷やインク吸ひたるガラスペン 花うさぎ
十一点句
閏日の雨となりたる牡丹の芽 モネ
春雷や宝蔵門の大わらぢ 小芥子
八点句
魚氷に上り鍵束のよく鳴りぬ 美保子
六点句
浮雲の離れてゆける鴉の巣 春子
手話の子の手に降りかかる春の雪 隆夫
勝ち馬の首の一振り春の風 とし子
藤本美和子主宰選
特選
閏日の雨となりたる牡丹の芽 モネ
「閏年」の今年。天候をも味方につけた手堅い一句。
入選
春雷やインク吸ひたるガラスペン 花うさぎ
住吉の鳥居の辺なる数珠子かな のびる
春雷や貝の砂吐く音一つ 雅子
魚氷に上り鍵束のよく鳴りぬ 美保子
菅家瑞正選
特選
春の雷波郷は髪を掻き上げて 美保子
「あえかなる薔薇選りをれば春の雷」(鶴の眼)に対する挨拶句。
入選
ひと雨にまた色を足す芽吹山 荒一葉
浮雲の離れてゆける鴉の巣 春子
春の水奏づ口笛吹くやうに 礼子
囀りや背負ふ日を待つランドセル 音思
陽美保子選
特選
春雷やインク吸ひたるガラスペン 花うさぎ
ガラスペンの透明感とインクの色が春を告げる雷と響き合う。
入選
春雷や宝蔵門の大わらぢ 小芥子
壺焼のあふるる汁や隠岐の島 杣むぎ
住吉の鳥居の辺なる数珠子かな のびる
勝ち馬の首の一振り春の風 とし子
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