第58回ネット句会結果

互選高点句	
十五点句 
爪先の位置定まれる寒稽古      葉子
十点句  
星空となりて軋める厚氷       美保子
八点句  
まつすぐに正す線香寒の雨      小芥子
新海苔の艶と香りを八つ折に     志向
七点句  
地に届きさうな氷柱の夜明けかな   麻美
仁喜忌の寒木空に近きこと      菊恵
相生の松に四温の光かな       美砂子
 
藤本美和子主宰選
特選
文鳥の雛かヘリたる四温かな     まなみ     
手や肩に乗るなど愛らしい文鳥の仕草が思われる季語遣いが秀逸。
入選
爪先の位置定まれる寒稽古      葉子
鳩が二羽日向を歩く風邪心地     小芥子
鶺鴒の胸のうつれる氷かな      タミ子
相生の松に四温の光かな       美砂子        

菅家瑞正選
特選
星空となりて軋める厚氷       美保子
満天の星が湖面の氷上に映る美しい光景。「軋める」が実に巧み。
入選
蹲が氷面鏡なる朝かな        sooshi
文机日脚伸びるにまかせけり     美保子
ソックスのタータンチェック春近し  sooshi
相生の松に四温の光かな       美砂子

陽美保子選
特選
微熱ありセロリを嚙んでみたりする  とし子
セロリの冷たさと寂しさが微熱のある時の心情によく合っている。
入選
鳩が二羽日向を歩く風邪心地     小芥子
鶺鴒の胸のうつれる氷かな      タミ子
鳴り龍の大き返事や初不動      京子
手のひらに翅閉じにけり冬の蝶    稲水