第60回ネット句会結果
互選高点句
十三点句
山神は女神なりけり子持鮒 隆行
十点句
歯磨きの河馬の大口春うらら sooshi
畦踏めば草の応へる春の鮒 タミ子
八点句
鉈音の谺に晴るる霞かな 浩
春鮒の釣られ大きな雲うごく 小芥子
藤本美和子主宰選
特選
山神は女神なりけり子持鮒 隆行
中七の断定の切字遣い。表現と句意がみごとに一致した佳句。
入選
た走るや乗込鮒の口の数 モネ
実印は隷書体なり新社員 sooshi
子持鮒魚拓の墨の匂ひけり sooshi
日のあたるところはなれず子持鮒 他家人
菅家瑞正選
特選
田の神の石傾けて畦青む 礼子
民俗学的な雰囲気が漂い、「傾けて」から素朴な景が見えてくる。
入選
鳥雲に爺が手入れの鍬と鎌 小芥子
雪柳咲き満ちてより風の花 敬子
かたくりの花に屈めば空傾ぐ 憲明
鳥の恋川の流れは音もたず 他家人
陽美保子選
特選
畦踏めば草の応へる春の鮒 タミ子
春鮒の時期や場所が、取り合わせの表現に巧みに表されている。
入選
ひとしきり藤の揺れたる曲げわつぱ 麻美
春鮒を見る逆しまに供花提げて 麻美
日のあたるところはなれず子持鮒 他家人
雪形の鳥飛びさうな日和なり 吾浪