第63回ネット句会結果

互選高点句	
十九点句 
針山に針刺し戻す羽蟻の夜      里妹
十点句  
あぢさしの一瞬風にとどまれり    隆行
虎杖の花のこぼるるずる休み     春子
八点句  
晩年の母の手紙や合歓の花      礼子

藤本美和子主宰選
特選
羽蟻飛ぶ論語の文字の小さきこと   美保子     
「論語読みの論語知らず」などという慣用句を思わせる「羽蟻」。
入選
羽蟻の夜エンドロールの長長し    モネ
針山に針刺し戻す羽蟻の夜      里妹
虎杖の花のこぼるるずる休み     春子
羽蟻の夜柱時計は九時を打つ     瑞正        

菅家瑞正選
特選
晩年の母の手紙や合歓の花      礼子
縁側に座って「母の手紙」を読む作者。「合歓の花」が実に巧者。
入選
針山に針刺し戻す羽蟻の夜      里妹
黒髪のさらりとくぐる茅の輪かな   麻美
一握の砂の温もり夏の月       吾浪
緑陰の卓にもてなす山家かな     ほとり

陽美保子選
特選
針山に針刺し戻す羽蟻の夜      里妹
針山、針、羽蟻と頭韻を踏みリズムが良く、針と羽蟻も響き合う。
入選
ビー玉の机ころがる梅雨入かな    雅子
出産の迫る牛小屋羽蟻飛ぶ      タミ子
虎杖の花のこぼるるずる休み     春子
石像に力こぶあり夏木立       根津子