第21回ネット句会結果発表

互選高点句	
十四点句 一湾の星の零るる牡蠣筏  直穂子
九点句 千代紙の折り目やはらか小六月 りり子
八点句 大年の赤絵の皿を拭ひけり  花うさぎ	
	 往く命来る命あり日記果つ   ちゑ
	 数へ日の醤油の瓶と酒の瓶   由美子

藤本美和子主宰選
特選
時の気や冬至南瓜を煮含めて			のびる
 疫病終息を願う「冬至南瓜」。「煮含め」にその心が籠る。
入選
オリーブの木に日の当たる手套かな  小芥子
父の座に父の坐りて薬喰       モネ
大歳の雀が参る百度石        菊恵
一滴に年逝くアロマオイルかな    のびる

菅家瑞正選
特選
にはとりの内股あるき年詰まる    春子
 中七の「内股あるき」の写生眼と阿波野青畝調の雰囲気が魅力。
入選
大年の赤絵の皿を拭ひけり      花うさぎ
母唄ふ小学唱歌山眠る        雅子
児が母へ抱きつくまでの落葉かな   隆行
手袋の手をかざしたる入日かな    由美子

陽美保子選
特選
雀らに大つごもりの夕茜       モネ
 雀は生きとし生ける物の代表だろう。夕茜に一年の感慨が籠る。
入選
時の気や冬至南瓜を煮含めて     のびる
冬ぬくし寺に寄進の縄ざわら     りり子
一湾の星の零るる牡蠣筏       直穂子
数へ日の醤油の瓶と酒の瓶      由美子