互選高点句
十八点句
暑き日をはたりはたりと象の耳 のびる
十点句
月涼し島へと延びる橋ひとつ 小芥子
九点句
真上なる醤の蔵の夏の月 直穂子
新緑や転居通知の手書き地図 音思
七点句
良寛の山にをさまり月涼し せんかう
神木のふところにゐて青時雨 菊恵
藤本美和子主宰選
特選
徳利に袴のありぬ夏の月 美保子
晩酌の盃を一人静かに傾けている作者。省略が効き月涼しの趣き。
入選
一本のモノクロ映画月涼し 阿久亜
甚平の肩がつつぱる川堤 麻美
水無月の糸とほしたるビーズ玉 モネ
荘子逍遥遊篇の雲母虫 美保子
菅家瑞正選
特選
真上なる醤の蔵の夏の月 直穂子
蔵窓から漂う味噌の匂いと「夏の月」との調和が行き届いている。
入選
岩を打つ飛沫は空へ青胡桃 礼子
親しさは糸瓜の花を誉めてより 小芥子
一水の動かざりけり夏の月 菊恵
孕み牛眠つてゐるか夏の月 陽子
陽美保子選
特選
惑星の五つ連なり明易し 健
惑星と明易しがよく響き合う。五という数もいい。
入選
暑き日をはたりはたりと象の耳 のびる
良寛の山にをさまり月涼し せんかう
水無月の糸とほしたるビーズ玉 モネ
潮騒のますます高き茅の輪かな モネ
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