互選高点句
十点句
嬰児の確かな重み終戦日 葉子
とんぼうの空となりたる墓域かな モネ
八点句
ひろげては母のかをりや秋日傘 直穂子
八束穂や風が風呼ぶ千枚田 隆夫
蝶のみち鳥の道ある秋気かな 隆行
何置かず何せず処暑の文机 美保子
藤本美和子主宰選
特選
とんぼうの空となりたる墓域かな モネ
蜻蛉を祖霊と捉える風習も残るのでつき過ぎだが、時空が魅力的。
入選
サクマ式ドロップス缶や颱風裡 星耶
明六つの鐘にゴーヤの太りけり 小芥子
実はまなす水平線の高さかな まり
芋の葉に雀が乗つて関ヶ原 せんかう
菅家瑞正選
特選
野の草のまだ濡れてゐるあきつかな 小芥子
雨後の花野の景が見えてくる。虚空に群れる「あきつ」が美しい。
入選
蔵町に明るさのあり処暑の雨 美砂子
庭の木はみな自由席小鳥来る 荒一葉
照り降りの雲の迅さよ稲の花 タミ子
どの蔓に繋がる瓢かと思ふ 麻美
陽美保子選
特選
蝶のみち鳥の道ある秋気かな 隆行
其々の道は見えず交わらない。そこに秋気を感じる感性がいい。
入選
野の草のまだ濡れてゐるあきつかな 小芥子
大西日生家に残る昭和かな 竜人
ふうの葉をいちまい浮かせ水澄めり 春子
とんぼうの空となりたる墓域かな モネ
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