第41回インターネット句会結果

互選高点句	
十点句  
秋風に向きをかへたる魚影かな    モネ
九点句  
蜻蛉の恋の実りし高さかな      美保子
八点句 	
水引の花触れ合ひて零れざる     浩
藤の実のぶつかりあって雨もよひ   春子
七点句  
大盛りの海軍カレー夏休み      礼子
駅弁の青き掛け紙涼新た       京子
   	
藤本美和子主宰選
特選
望郷や秋蝉の声遠ければ       瑞正
作者と秋蝉の声の隔たりに生じる望郷の心。この距離感がいい。
入選
藤の実のぶつかりあって雨もよひ   春子
秋風に向きをかへたる魚影かな    モネ
ざり蟹の五匹を運ぶバケツかな    直穂子
水引草父の忌日のよく晴れて     とし子        		

菅家瑞正選
特選
しづかなる声のちらばる花野かな   美保子
数人で山野を行く吟行風景であろうか。抒情性のある表現が出色。
入選
藤の実のぶつかりあって雨もよひ   春子
川底の石の丸みや涼新た       葉子
願ひごと乗せてくるりと秋日傘    隆夫
反り橋の真中や蓮の実が飛んで    麻美

陽美保子選
特選
秋声や水の近くに水捨てて      麻美
把握が秀逸。水のみを描写して、秋声の季語も効いている。
入選
心房と心室二つづつや処暑      のびる
藤の実のぶつかりあって雨もよひ   春子
秋風に向きをかへたる魚影かな    モネ
自転車を止める定位置つづれさせ   春子