第42回インターネット句会結果

互選高点句	
十点句  
かほり立つ奈良墨おろす小望月    直穂子
生国の抜けぬ訛りや衣被       タミ子
八点句		
ゑのころの金銀馬頭観世音      美保子
七点句  
纜をはなれ帰燕となりにけり     志向
打ち寄せる阿蘇千枚の稲穂波     隆夫
名月や魚籠を下げたる男の子     葉子
酔ふほどに月は大きく独り酒     音思

藤本美和子主宰選
特選
火の山の方へ吹かれて赤い羽根    麻美
「火の山」が効を奏し「赤い羽根」の存在感を際立たせた。
入選
時鐘に糸瓜の影の揺れにけり     小芥子
空耳や朝顔白く咲きのこり      春子
ゑのころの金銀馬頭観世音      美保子
来し方の遠退く記憶今日の月     星耶        		

菅家瑞正選
特選
名月に漣なせる大河かな       美保子
堂々たる蕪村調の立句。一幅の日本画的な構図とリズム感が良好。
入選
名月を褒めほうじ茶のかぐはしく   りり子
かほり立つ奈良墨おろす小望月    直穂子
かなかなに急かさるるかの夕仕度  うつろひ
しゃらしゃらと風のお喋り吾亦紅   光雲2 


陽美保子選
特選
名月や魚籠を下げたる男の子      葉子
取り合わせがいい。下五に男の子を斡旋したのも効果的。
入選
その肌に真塩を弾く秋刀魚かな    浩
イヤホンを車窓に外す今日の月    小芥子
長箸の干されて釣瓶落しかな     sooshi
寝ころべる畳一畳雁のころ      菊恵