互選高点句
十六点句
指貫に絡む絹糸冬隣 りり子
九点句
反論はせず従はず栗を剥く 荒一葉
人ごゑが風のうしろに茸山 小芥子
八点句
熊除けの鈴見せ合ふて茸汁 花うさぎ
槍投げの槍継ぎ目なき秋天へ ひろし
山粧ふポップコーンのよくはじけ 菊恵
藤本美和子主宰選
特選
反論はせず従はず栗を剥く 荒一葉
何を持って作者の思いを代弁するか。「栗を剥く」とは強かだ。
入選
月夜茸墓標に金売吉次の名 せんかう
茸籠網茸ばかりよく採れて のびる
綿虫に会ひにゆくなり誕生日 花うさぎ
掛軸の筆は青淵ひよの声 小芥子
菅家瑞正選
特選
叔母に言ふべきことありぬ茸汁 京子
この「茸汁」は望郷の思いを誘い、故山に対する感謝の念がある。
入選
一木にしがみ付きたる猿茸 里妹
十六夜や月にまつはる雲縷々と しんい
とほくまで来て野仏と赤のまま 美砂子
指貫に絡む絹糸冬隣 りり子
陽美保子選
特選
鵙啼いて焼きおにぎりのにほひかな 隆行
まさに鵙日和の一日。外で食べる焼きおにぎりが美味しそう。
入選
品書きを直角に立て秋澄めり まり
軸太の椎茸三つ掌 とし子
零余子飯すこぶる大き一つあり 葉子
山粧ふポップコーンのよくはじけ 菊恵
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