互選高点句
二十一点句
すれ違ふ僧に焚火の匂ひあり 隆夫
十九点句
短日を刻む庭師の鋏かな 荒一葉
十点句
この里に生きる証の紙を漉く 隆夫
九点句
短日の子規全集の書影かな sooshi
初しぐれ昼を灯せる古書の街 しんい
藤本美和子主宰選
特選
短日の子規全集の書影かな sooshi
全集は全二十二巻。子規の偉業に圧倒された季語遣いとみた。
入選
初しぐれ歩けば旅のごとくなり のびる
黄落をあふぎてをりぬ共白髪 タミ子
冬鵙のひとこゑ空の眩みけり 菊恵
すれ違ふ僧に焚火の匂ひあり 隆夫
菅家瑞正選
特選
玉眼の見つめる先や笹子鳴く 雅子
山間の古刹の景を連想する。鎌倉辺りであろうか。季語が秀逸
入選
黒髪を誉められてゐる枇杷の花 小芥子
大根を抜き白髪のゆたかなる 麻美
短日や小樽運河の水鏡 杣むぎ
すれ違ふ僧に焚火の匂ひあり 隆夫
陽美保子選
特選
短日の子規全集の書影かな sooshi
短日、子規全集、書影の文字が響き合い、端正な一句。
入選
煮凝やきのふを掬ふ今日の匙 杣むぎ
地球儀の赤き日本日向ぼこ 案山子
流木の刺さってゐたる冬の川 春子
すれ違ふ僧に焚火の匂ひあり 隆夫
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