第30回インターネット句会結果

互選高点句	
十三点句 
秋天へ跳び箱一段高くする      荒一葉
十一点句
啄木鳥の音に霽れゆく岳樺      美保子
九点句
餡パンの臍くつきりと獺祭忌     隆行
啄木鳥やけふ一行の備忘録      のびる
八点句
敬老の日の足もとの日差しかな    春子
きつつきや水のおもてを風はしり   他家人

藤本美和子主宰選
特選
きつつきや水のおもてを風はしり   他家人
 ささやかな発見を手慣れた表現で言い留めた。配合の妙も魅力。
入選
一景に松を据ゑたる良夜かな     隆行
休載の四コマ漫画けらつつき     のびる
雲飛びにけり青啄木鳥のドラミング  モネ
湖に波の立ちたる秋彼岸       美砂子

菅家瑞正選
特選
ふるさとの友は達者か赤のまま    京子
故山への懐旧の心情がよく表れ、「赤のまま」の斡旋が頗る出色。
入選
秋澄むや水切りの石遠くまで     浩
栃の実の籠にあふるる光かな     礼子
啄木鳥の音に霽れゆく岳樺      美保子
一本の長き木道草紅葉        葉子

陽美保子選
特選
敬老の日の足もとの日差しかな    春子
足もとの日差しが、老いを受け入れる心持ちに優しく寄り添う。
入選
白髪のかがやいてきしけらつつき   のびる
台風一過シャボン泡立つ朝かな    雅子
雲飛びにけり青啄木鳥のドラミング  モネ
俎板を削りなほして水の秋      一弘