第19回ネット句会結果発表

互選高点句	
十点句 鳶の輪を二つ上げたる刈田かな 瑞正
九点句 鳥渡る横浜地方気象台     sooshi
八点句 十月の雨の明るき女坂     憲明	
    行く秋の白樫に雨槻に雨    菊恵
七点句 餅負ひの児の顔まつ赤菊日和  モネ

藤本美和子主宰選
特選
リサイクルペットボトルや鳥渡る  のびる
 片仮名の表記、音韻が季語と響き合う。現代の生活詠といえよう。
入選
十月の雨の明るき女坂       憲明
草を踏む母の音する杜鵑草     隆行
霜降や水脈ひく鳥の近くゐて    モネ
霜降の松にあつまる雀かな     隆行

菅家瑞正選
特選
霜降や珈琲豆を煎る匂ひ      りり子
 焙煎をする珈琲豆の匂いからも「冬近し」の雰囲気が漂ってくる。
入選
ここだけの話つつぬけ柘榴の実   タミ子
餅負ひの児の顔まつ赤菊日和    モネ
霜降や軒に積まれて薪の嵩     小芥子
オカリナや秋明菊の影揺れて    小芥子

陽美保子選
特選
一本の風切羽や火恋し       憲明
 美しい風切羽を拾った作者の心の動きが季語に託され味わいがある。
入選
読み終へしけん二の句集秋深し   モネ
霜降や汀に羽うつ音しきり     礼子
日暮れたるフェンスの烏瓜ふたつ  阿久亜
リサイクルペットボトルや鳥渡る  のびる