互選高点句
十二点句 全集に付録一巻山眠る 美保子
九点句 あとは火に任せる陶土雪降れり 美保子
山の端をゆく雲はやし桜鍋 のびる
七点句 小春日や二人暮しの畝三つ 小芥子
凩や人に背骨の在りどころ とし子
凩や海の小さき鳥瞰図 憲明
凩や軍鶏の眼光ゆるぎなし 案山子
短日や関守石をひとつ置く 美砂子
藤本美和子主宰選
特選
短日や関守石をひとつ置く 美砂子
「関守石」と季語との照応が見事。一句の構成に無駄がない。
入選
全集に付録一巻山眠る 美保子
ここからの山並親し雪囲 せんかう
凩や一番星は西の空 玖
山の端をゆく雲はやし桜鍋 のびる
菅家瑞正選
特選
艶拭きの長き廊下よ冬来る 葉子
上五~中七から古刹の本堂辺りの景を想見する。季語設定が魅力。
入選
木枯や矢倉に並ぶ仏達 モネ
凩や煮豆の鍋の落し蓋 葉子
落日の色にそまりし冬田かな 義久
凩を去なす皇帝ダリアかな しんい
陽美保子選
特選
凩や圧力鍋のピンの揺れ タミ子
ピンの揺れに焦点を絞ったところがいい。熱々の料理が美味しそう。
入選
弟に優しき日なり七五三 憲明
木枯や玉眼潤む菩薩像 雅子
凩や海の小さき鳥瞰図 憲明
風花やクロワッサンの紙包み まり
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